キャリアアップに対する価値観

医療の高度化が進んでいる現状を反映して、看護学校などでの教育では向学心の高い人材を輩出することが目指される傾向が強い。高度医療に携われる人材を輩出するのは学校側としても名誉になることに加えて、世の中で必要とされている重要な人材を供給できる点で必要なのは確かである。医療の高度化が進むにつれて、万能さが重要視されていた看護師も専門性の高さが求められてきている。ある特定の分野に特化して、教育と研修を積み重ねてきた人材が活躍する機会が広がってきているのが現状だろう。
その教育成果を受けて、キャリアアップを目指す傾向が強まっているのも確かである。しかし、必ずしも看護師になったらキャリアアップ志向を持つ必要はないことも理解しておかなければならない。キャリアアップを目指せる能力と興味を持っている人が高度医療に携わっていくだけで良いのである。価値観の1つとして、必ずしもがん治療などの高度医療の現場で活躍したいと考えない人もいるだろう。
もともと、地元に戻って患者に近い立場から看護に携わっていきたいと考えている人もいるはずである。その需要も依然として高いのが実情であり、自分の価値観に合った働き方を目指していけば必ず社会的にも必要とされている仕事に携わることができる。自分の価値観を大切にして目標設定を行うのが良い。その目標を達成するために自分なりの努力を続けていくことが、看護師として最も世の中に寄与できる方法だ。このように、価値観によってさまざまな働き方があることは《http://diversevalues.com》にも書かれており、必ずしも自分らしさを見失う必要はないのである。